Eスコアってどうやって出すの?

Eスコアは何点満点か知っていますか?

10点満点です。

なかなか10点満点の演技を見ることはありませんが、Eスコアはどうやって採点されているのでしょうか?

Eスコアの減点は実施と芸術性

選手一人一人がまず10.00点を持っています。演技の中でミスをすると、減点されていき、最終的に残った点がEスコアとなります。演技を完ぺきに行い、減点されることがなければ、10.00点をもらうことができるということです。

じゃあ例えば、どんな減点があるのでしょうか?

減点は大きく分けると2つあります。実施芸術性です。

実施とは技をどれだけ正確に美しくできたかということです。膝のゆるみがないか、つま先が伸びているか、姿勢はきれいか、ひねりを正確に行っているか、などを見ます。着地も実施の減点項目の一つです。

芸術性は、どれだけ美しく、そして創造的に表現しようとしたかを評価します。観客を魅了するような演技ができていないと減点されます。

小欠点、中欠点、大欠点

減点には種類があります。0.1点引かれる小欠点。0.3点引かれる中欠点。0.5点引かれる大欠点。1.0点以上引かれる超大欠点です。大きなミスをしてしまうと、大きく減点されます。

小欠点中欠点大欠点超大欠点
0.10.30.51.0
表1 減点の種類

例えば、バク転で膝が曲がったとします。図のように、ちょっとしたゆるみだったら-0.1点。45度くらい曲がっていたら-0.3点。直角まで曲がっていたら-0.5点という感じです。

図1バク転のひざ曲がり

着地の姿勢の場合、頭が腰の高さまで下がったら-0.1点。膝の高さなら-0.3点。深くしゃがんでしまえば-0.5点です。

図2 着地姿勢

ただひざが曲がる、足を開くだけでも、その度合いによって減点の大きさは異なってきます。 完ぺきにはできなくとも、少しでも理想に近づくけるように日々トレーニングしていけるといいですね。

Eスコアの出し方

2022年現在は、各種目5人のE審判員でEスコアを決めています。5人の審判員がそれぞれスコアを出し、真ん中3人の平均がEスコアとなります。図のように、一番高い点数と一番低い点数がカットされ、真ん中の3つの中の平均点を出します。極端に高い点数や極端に低い点数はEスコアに反映されないということです。

審判員もミスすることがありますから、これはうれしい制度です。

今後、E審判員を7人にしようという計画もあります。上下2人ずつカットし、3人の平均を取ります。より極端な採点をした人の点数が入らなくなり、正確な採点に近づくということですね。

演技の理想像って何だろう?

採点規則ではEスコアの出し方についてこんなことを言っています。『各演技は完璧な演技を理想像として置き評価される。この理想像から見てすべての欠点は減点される。』

体操の長い歴史の中で、演技の理想像というものが作られてきました。皆さんの頭の中にも「こんな動き方が理想だな?」や、「こんな演技は魅力的だな。」といった、体操の理想像というものがありませんか?

審判員も長い期間体操に携わる中で、それぞれの体操の理想像というものを培ってきました。その理想像を頭に置きながら、Eスコアを出しているのです。もちろん、審判員はルールに従い採点をしていますが、審判員の価値観で判断していい部分もあるということですね。

理想像って何だろう?

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