Dスコアってどうやって出すの?

体操のDスコアの出し方を知っていますか?Dスコアとは演技の難しさを表したものです。

選手はそれぞれ好きな技を選択し、自由に演技構成を組みますが、どうやってそれに点数をつけるのでしょう?

今回はそのDスコアについて紹介していきます。

Dスコアの概要

Dスコアの出し方は、跳馬とそれ以外の3種目で異なります。

まず、跳馬は一つの技しかしないので、跳んだ技によって点数が決まります。前方転回だったら1.6点。ツカハラの屈伸は3.4点。自分のする技は何点なのか、難度表を見ると確認できます。

次にその他の3種目です。この3種目は一回の演技の中でたくさんの技をするので、Dスコアを求めるのは複雑です。これから紹介しますが、難度点構成要求組み合わせ点の3つを足し算することでDスコアを出します。

難度点とは?

1つ目は、難度点です。技にはそれぞれ難度が決められています。段違い平行棒のけ上がりはA難度。車輪はB難度。ムーンサルトで下りればD難度。難しい技になるにつれて難度は上がっていきます。女子の最高は今のところJ難度。バイルズのルドルフ(2回宙3回ひねり)です。

難度ごとにはそれぞれ点数が決まっています。

難度難度点
A難度0.1
B難度0.2
C難度0.3
D難度0.4
E難度0.5
F難度0.6
G難度0.7
H難度0.8
I難度0.9
J難度1.0
表1難度点

A難度は0.1点、B難度は0.2点、C難度は0.3点。難度が一つ上がれば、点数が0.1点ずつ上がっていきます。この点数を数えていけば、難度点が出ます。

しかし、ここで大事なポイントが!

女子では各種目最大8つまでしか難度点を数えることができません。平均台で10個技をしたとしても、8つまでしか計算されないのです。え?じゃあ、10個も技をやっても無駄なの?と思うかもしれませんが。それは違います。次に出てくる、構成要求や組み合わせ加点を取りたい場合、その8つ以外の技が生きてくるのです。

話をもどします。

最大8つというのは、難度が高い順から8つということです。初めに行った順番ではなく、難度が高いものから8つ数えます。

そしてもう一つ知っておいてほしいポイントが!

この8つ中に必ず終末技を含まなくてはいけません。E難度やD難度の技をいっぱいやったとしても、終末技がA難度であれば、8つの技の中にA難度が入ってくるのです。終末技は大事にされているんですね。日本のことわざで言う、「終わり良ければすべてよし。」みたいな考え方です。

ということで、難度点は、終末技を含んだ難度の高い8つの技の合計ということになります。

各種目でもっともっと細かいルールがあるので、詳しくはこちらをご覧ください。(今後作ります。)

構成要求とは?

二つ目は、構成要求です。跳馬以外の3種目には、こんな種類の技を入れましょう!というルールが決められています。その指定された種類の技を演技の中に入れ込めば0.5点もらえるというものです。

各種目に4つの構成要求が決められていて、その4つすべてをクリアすれば、(0.5点×4=2.0点)2.0点もらうことができるのです。

例えば段違い平行棒は、こんな4つです。表2

 こんな技を入れましょう!点数
高棒から低棒へ移動する空中局面を伴う技0.5
同一棒を再び握る空中局面を伴う技0.5
異なる握り0.5
360度以上のひねりを伴う技0.5
表2 段違い平行棒の構成要求

そもそもどうしてやらなきゃいけない技が決められているんでしょう?

多分、演技がより面白いものになるためです。平均台だったらアクロバットやジャンプの連続を入れましょうというルールがあります。連続技が演技の中に入っていたら、スピード感があって、リズムのいい平均台の演技になります。

構成要求は体操の演技が見てる人を楽しませてくれたり、芸術として面白いものになるように工夫されているのです。

段違い平行棒だけでなく平均台、ゆかも4つずつ決められているので、確認してみてください!

組み合わせ点とは?

三つ目は、組み合わせ点です。組み合わせ点は、独創的で、難しい連続技をすると加点が付きますよ!というものです。0.1点もしくは0.2点の加点があり、組み合わせをたくさんすればどんどん点数は高くなります。

ここで一つ注意点があります。

この組み合わせの加点は、技を成功させた場合しか付きません。2回目の技で転倒や落下してしまった場合、点数はもらえません。補助した技もだめです。

リズムよく技をつなげ、2つの技を承認してもらう。そういった組み合わせが評価されます。

おわりに

ここまでDスコアの内容を説明してきました。この文を読んだだけでは、まだ自分の点数がいくつになるか分かりませんね。

でも、このことだけは覚えておいてください。「Dスコアは難度点、構成要求、組み合わせ点の3つの点数の足し算だよ」ということです。

難度点は難度表から調べて計算してみましょう。構成要求と組み合わせ点は各種目で決まっているので、各種目のルールから確認しましょう。(これから作ります。)

ちょっとややこしいDスコアのルールですが、選手の演技が面白いものになるように工夫して作られています。ルールの中で楽しい演技構成を考えて見てください。

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